四季の庭

【北海道】シェードガーデン

ギボウシ


日の光が十分に当たらない領域、シェードガーデンをいかに楽しく彩るか‥。ガーデニングの課題のひとつです。
まずお気に入りはギボウシ。
中でも、特にお気に入りの品種です。
日の光を受けて現れた、微妙な緑のグラデーション。
朝露をたたえた瑞々しい葉は、何ともいえないギボウシの魅力です。
後ろに見えているのは、斑入りのフッキソウです。
両者とも日陰に強い丈夫な宿根草で、シェードガーデンにはもってこいです。
本当に手間がかかりません。
歳をとったら、こういうローメンテナンスの植物を増やしていかなくては‥うっ、寂し‥。

オオバナエンレイソウ


こちらはオオバナエンレイソウです。
エンレイソウの仲間は、夏には地上部が全て消えてしまいます。
四季を通して楽しむという点では、不合格かもしれません。
でもご覧ください、この春の可憐な姿を。
白い花弁とライムグリーンのガク、淡いレモン色のシベとの清楚な組み合わせ。
ガーデニング狂おまさもすっかり悩殺されてしまいました。
後ろに見えているのはタツタソウの葉、手前のシャープな細い葉はヤブランです。

ツバメオモト


オオバナエンレイソウに負けず劣らず魅力的なのが、このツバメオモトです。
ご近所の山野草好きの方に分けていただきました。
葉と花のバランスが絶妙です。
山野草にはこうした清楚で小さな花のものが多く、地味好みのおまさの胸をくすぐります。
ツバメオモトの後ろに見えるのは、斑入りのギボウシです。
緑と白だけの組み合わせでも単調に見えないのは、何故でしょうか。

ツルニチニチソウ


こちらはツルニチニチソウです。
5月中旬を過ぎ、紫色の美しい花が次々と開いてきました。
明るいライムグリーンの新芽も出てきて、深い緑色の葉とのコントラストが美しいですね。
まだタイムの花が咲いていませんが、もう少しするとタイムの花とツルニチニチソウの花が交じり合うように咲いて見事です。
紫とライラックピンクの組み合わせは、なかなかのものですよ。

ヒトリシズカ


そしてこれは、山でよく見るヒトリシズカです。
白いブラシのような花がユニークですね。
葉は厚みのある硬いイメージで、花を取り囲むようについています。
この写真では分かりませんが、隣には斑入りのフッキソウを植えていています。
日陰の庭を明るくする白い花や白い斑入り葉などは、シェードガーデンの強い味方です。

クリスマスローズ


北海道では、5月頃から咲き始めるクリスマスローズ。
花は長期間咲き続け、品種によっては夏の間も綺麗なままです
。写真の白いクリスマスローズはとりわけ開花期間が長く、道外からいらした方は夏に咲くクリスマスローズの花を見て驚愕!
そんな時、何だかとっても得意な気分になってしまうのです。
北海道の冷涼な気候は、本州のガーデニングとは一味違った植物の姿を見せてくれます。

ヒューケラと斑入りイワミツバ


こちらは、葉の美しいヒューケラと斑入りイワミツバのコンビネーション。
結構お気に入りの組み合わせですが、イワミツバが茂ってくると飛び石を歩きにくいので対策を思案中です。
ギボウシと並んでシェードガーデンの代表格のようなヒューケラ、地植えでもコンテナ栽培でもよく育ちます。
こういう銅葉の植物を庭に取り入れると、庭に変化が出て格段によくなることがあります。
ガーデニング、ミニ知識でした。

ギボウシ「ハルシオン」


青味がかった葉色の美しい品種です。雨降りの後は玉になった雫が葉の上にコロコロころがります。
ドキドキするくらい美しいギボウシ。
左上にチラッと見えているのはリボングラスです。
ハルシオンのようなギボウシがあれば、草花の組み合わせの幅がぐんと広がります。
紫の花、白い花、銅葉などと合わせると、とてもシックでお洒落な演出ができます。
シェードガーデンを楽しむ際、是非一株いかがでしょう。

ギボウシ「ワイドブリム」


ワイド・ブリムという品種名のギボウシです。
濃い緑色の葉に黄緑色の外斑の入るタイプで、他のギボウシとの組み合わせに重宝します。
我が家には8種類ほどのギボウシがありますが、その殆どが外斑の入ったものです。
ギボウシに詳しいガーデニング好きの方から「種をまけば、面白い斑入りのものができるかもしれないよ。」と種まきを勧められた事がありましたが、その後の情報で「外斑のものは斑入りにならない事が多い」という事が判明。
結局、オリジナルのギボウシはまだできていません。

晩春の様子


こちらは、6月中旬の北側通路の様子です。
飛び石の周りを埋めているのは、ロンギコーリスタイムのピンクの小花とシコタンハコベ。
飛び石を歩くとタイムのよい香りが立ち込めて、幸せな気分になります。これもガーデニングの醍醐味。
タイムの外側には、ホスタや斑入りイワミツバ、クリスマスローズ、フッキソウ、リボングラス、ミヤママタタビ等さまざまな草花を植えています。
晩春の光は、植物を包み込むような優しさです。

タイムの開花


地面近くから撮った、満開のタイムの様子です。
この写真は「春の庭」でも紹介したので、ここでまた使うのを躊躇したのですが、やはりシェードガーデンでも外せませんでした。
見ごろを迎えたタイムの花の中を通り抜けると、シコタンハコベやアジュガ、クルマバソウなのグランドカバーが待っています。
わずか幅2m足らずの通路ですが、今ではおまさの大切な場所になりました。

アマドコロとリボングラス


植物を植える時に、一番に考えることは何でしょうか。
日当たりや風通しなどの環境に合っているかどうか?花色や葉色は?フォルムは?草丈は?開花時期は?どれも大切なことですよね。
勿論そういうことも、しつこいくらいに悩みます。
が、おまさの場合は、まずは我が家の庭のイメージに合う植物かどうかの線引きをします。
多少奇抜に思えても、思いのほか庭にマッチするものもありますが、無制限に植物を入れるとまとまりのない庭になってしまうことがあるからです。
「調和の取れた、それでいて単調でないシェードガーデン。」そんな庭を目指していま~す!

ミヤママタタビ


初めてミヤママタタビを見る方は、大抵この葉色に驚きます。
6月中旬、白くなった葉の一部がピンク色に変わり始めます。
目を凝らしてよく見ると奥の方に白い小花が咲いているのが分かります。
北側通路の壁側に支柱を立て這わせていますが、植えてから6年経ち随分大きくなりました。
3mくらいにはなったでしょうか。
壁面を覆うように茂らせたいのですが、外壁のメンテナンスのことを考えると少々考え込んでしまいます。どうしようかなぁ‥。

光を受けて…


ガーデニング真っ盛りの夏の庭。
タイムやツルニチニチソウの花が終わると、緑と白が中心の落ち着いたコーナーに変わります。
写真の左側にちらっと写っているのは、ロクベンシモツケとアストランチアの白い花です。アスチルベも何株か使っていますが、全て白でまとめてみました。
反対側に振り向くと、グランドカバーにしているシコタンハコベやアナベルが咲いています。
季節によって違う表情を見せる庭も、なかなか味があっていいものです。

シコタンハコベの開花


そして、これが振り向いた反対側の様子です。地面を覆う白い小花が、シコタンハコベ。
派手さはないけれど清楚な花は、見る人の心を奪うようで、庭にいらした方に「この白い花は何ですか?」とよく聞かれます。
タイムの花が終わった頃、取って代わって咲くシコタンハコベの花。
ご近所の方に分けて頂いた大切なものです。
写真の上の方に見える淡いピンク色の小花は、ゲラニウム・ビオコボ。
優しげな雰囲気のあるガーデニングコーナーです。
アナベルの花はまだ小さくて緑色ですね。目を凝らして見ないと、ちょっと分からないかも‥。

アスチルベ


日陰でも育つ植物はいろいろあると思うけれど、このアスチルベもその一つ。
フワフワっとした花が魅力的な、野性味のある植物です。
ギボウシやグラス類なんかとも相性が抜群で、葉はグランドカバーとしても使えるというガーデニングには欠かせない優れもの。
群植してもステキです。シェードガーデンに使わない手はありません。

ギボウシ、ワイド・ブリム


こちらはギボウシ、ワイド・ブリムです。さあさあ、いよいよギボウシの開花の時期です。
これから秋にかけて次々に花を咲かせますよ。その花色の殆どが紫か白という、おまさ好みのありがた~いギボウシ。
そう言えば、ツボサンゴは、赤やらピンクやらいろんなカラフルな花が咲きますよね。
同じように日陰が大好きなリーフプランツ同士ですが、花色は全く違うなぁ‥。
まぁ、当たり前と言えば当たり前か。

アナベル、ギボウシ


7月の終わり。アナベルの花が白くなりました。
咲き誇っていたゲラニウムの花は終わり、ギボウシの花が咲き始めました。
一日一日、変化していく庭は、刺激的で楽しいものです。
ここはガーデニングには狭い空間ですが、角にアナベルを植えたのはまずまずの成功でした。
北側の壁面に沿って真っ直ぐに続く通路なので、平面的にならない工夫が必要だったのです。
アナベルで向こう側の景色を隠すことで、動きと奥行きのある空間が演出できたのではないかと内心ウハウハです。

ギボウシの花


ギボウシの魅力って、底知れない‥。
何なんだろう、この感じ。長く伸びた花茎が少しだけしなって、うつむき加減に咲く花の控えめな美しさ。
ともかく、自分でもよく分からないのですが、ギボウシには特別な魅力があるような気がします。
後ろに見えている明るい斑入り葉はイワミツバ。
右の端の方に見え隠れしているシックな葉は、ユーパトリウム・チョコレートです。

ギボウシの花


これもギボウシの花です。たくさんの花茎が見えますが、本当に花つきのよい品種です。
遠慮なく切花にできるので、重宝しています。写真では分かりにくいのですが、背丈の低い小型のギボウシなので狭い庭にも最適です。
ギボウシを植えるときに注意したいのが、成長した時の株の大きさです。
何しろ大型のギボウシになると、1mを越すものもあります。ガーデニングはバランスも大切ですからね。
後で後悔することにならないよう、皆さん注意しましょう~!

八重タマノカンザシの花


遅咲きのギボウシで、9月中旬頃白い八重の花を咲かせます。
ボリュームたっぷりに花が咲くので、満開時の美しさは格別です。
ギボウシは花よりも葉を楽しむものと思っていましたが、このタマノカンザシの花を見てから考えが変わりました。
白い花は日陰を明るくしてくれます。まさにシェードガーデンにはピッタリの宿根草です。
ここでは葉色の違うギボウシや斑入りイワミツバ、シダなどと一緒に植えています。
日陰だからといって諦めてしまうのはもったいないことです。
シェードガーデンとして、日陰は魅力的な場所になり得ります。
日本古来のギボウシなどの植物を使って、素敵なガーデニングスペースにしてみてはいかがでしょうか。